特集:AmericanTrailers -アメリカントレーラーの魅力に迫る-
RVランド本社展示場にはForest River社のアメリカントレーラーラインナップが充実しています。
キャンピングトレーラーからもそれぞれの国の文化やライフスタイルが感じられます。
機能性などのスペックを比較してキャンピングトレーラーを選ぶことは重要ですが、現地の文化やライフスタイルにも目を向けたキャンピングトレーラー選びも楽しさのひとつです。
そこで、アメリカントレーラーだけが持つ魅力とトレーラー全般を楽しんでいただくための情報をお伝えします。
また、本ページ後半にトレーラーについての知識情報を掲載していますので、併せてご覧ください。
長期滞在や住むことが前提
室内の広さや区分けの仕方にはじまり、存在感のあるキッチン、紛れもなくルームと呼べるシャワーやトイレスペース。
これらは、旅先の滞在と言うよりも長期に渡る滞在や住むことを前提としているように感じます。
もしくはWeek単位ではなくMonth単位で滞在するのかも知れません。
アメリカンモデルと言えばこのマリンタイプのトイレ。ペダルで水を流すスタイルに情緒を感じます。
キャンプエリアなどの滞在施設の設備にもよりますが、アメリカ独自の文化があると感じる点はトイレにもあります。
カセットトイレではなく固定式のブラック(汚物)タンクが装備されているマリンタイプと呼ばれるトイレが装備されています。このトイレはアメリカンモーターホームにも装備されています。
ブラックタンクの容量は概ね100Lで、タンク容量約20Lのカセットトイレに比べ5倍ほどあります。滞在中に短い間隔で捨てる必要の無い容量です。長期滞在を主軸に開発されていること、アメリカのキャンプ施設ではブラックタンクの排出管を直接接続できるようになっているため、カセット式にする必要がないのでしょう。
細かいことを気にしない
アメリカントレーラーを楽しむ秘訣は「細かいことを気にしない」です。
日本の製品が求める品質は世界でも類を見ないほど高く、家具の隙間や段差、切り口の処理、そして見えない部分にも気を使っています。
ですが、アメリカやヨーロッパ諸国など海外の製品に対して日本製と同じ品質を求めてはいけません。
実際に家具の扉や引き出しが曲がって取り付けられていることも多く、上下で隙間が違っていたりもします。
それでも機能を果たしていないわけではありません。
ざっくりと工作しただけのワイルドさがアメリカントレーラーの魅力です。それでもきっちりとドアは閉まります。
使用できれば問題なく、気になるなら自分で直すから良いという考え方なのだと思います。
明らかに不具合と受け止められる部分は当社でも修正いたしますが、それ以上手を加えアメリカントレーラーの魅力を削ぐようなことはしないようにしています。
感じ方には個人差がありますので、ご購入前に気になる箇所がありましたらご相談ください。
トレーラーの基本知識
ここでは、当社でラインナップしているアメリカントレーラーを中心に、トレーラーの基本的な情報について説明します。
牽引可能な車両やヒッチメンバーの情報など、トレーラーの種類によってはこの限りではありません。
牽引可能なヘッド車(牽引車/トラクター)は牽引能力1,500kg以上を
現在展示中のForest Riverトレーラーは約1,500kg〜2,400kgのモデルラインナップになります。そのため、牽引できるヘッド車(牽引車/トラクター)が限られます。
- ヘッド車の例
- トヨタ ランドクルーザー
- マツダ CX-60
- 北米トヨタ タンドラ
- フォード Fシリーズ
- ダッジ ラム
- レンジローバー
など、大型SUVやピックアップトラックなど強靭な車両が必須となります。車両によっては3.5t未満限定の普通自動車免許で運転できない場合もあります。
また、車両によって牽引能力が異なります。そのため、大型SUVやピックアップトラックであっても牽引できないケースもあります。トレーラーご購入の前に、お持ち(または購入予定)のヘッド車で牽引できるかをご確認ください。並行車の場合、スペック上は牽引能力があっても日本での登録に求められる資料等が用意できないと牽引登録できないケースもあります。
ヒッチメンバー(牽引装置)はクラスⅢ以上を
ヒッチメンバーにはいくつかの強度に分かれています。
現在展示中のForest Riverトレーラーは約1,500kg〜2,400kgのモデルラインナップになりますので、それらを牽引できる強度を持ったアメリカ規格のクラスⅢヒッチメンバーが必須です。加えてウェイトディストリビューティング装置が必要になります。ヒッチボールもアメリカサイズになります。ヨーロッパサイズとは異なりますので、ヨーロピアントレーラーからのお乗り換えの際はご注意ください。
ヒッチメンバーの牽引強度はヘッド車の牽引能力とは異なります。
ヒッチ垂直荷重は約200kg
ヒッチ垂直荷重とはトレーラーを連結したときにヒッチメンバー=ヘッド車側にかかる重量です。
アメリカントレーラーは約200kgの垂直荷重があり、連結したときにヘッド車の後部が大きく沈み込みます。この現象を解消するためにウェイトディストリビューティング装置が必要になります。
対してヨーロピアントレーラーは概ね100kg以下なっておりアメリカントレーラーとは大きく異なります。これは、トレーラーの車軸位置の違いが影響しています。
アメリカントレーラーは車体中央より後部側に、ヨーロピアントレーラーは車両中央に車軸があります。そのため、アメリカントレーラーは連結時に前方(ヒッチメンバー)に重量が加わる構造になっています。
車軸レイアウトが異なるのはそれぞれの国で走行シーンが異なるためで、アメリカントレーラーは直進安定性を高めた車軸レイアウトと言えます。
トレーラーのブレーキは電気式
アメリカントレーラーは電気ブレーキが装着されています。ヘッド車のブレーキに連動して電気的にトレーラーのブレーキを作動させる仕組みです。対してヨーロピアントレーラーは電気を使用しない慣性ブレーキを装備しています。
電気ブレーキと慣性ブレーキではトレーラーとヘッド車を繋ぐ電気配線が異なります。そのため、ヨーロピアントレーラーからのお乗り換えの際はご注意ください。
慣性ブレーキ:ヘッド車がブレーキをかけ減速したときに、慣性力によってトレーラーがヘッド車を押す力を利用するブレーキです。連結装置部分が押されることで、内蔵されたブレーキ機構がブレーキワイヤーを引き、トレーラーにブレーキをかける仕組みです。
牽引免許が必要です
ラインナップしているForest Riverのトレーラーは牽引免許が必要です。
全てのモデルが車両総重量750kgを超え、一部のモデルは2,000kgを超えます。
利用シーンにもよりますが、トレーラー牽引の経験がなく新たに牽引免許を取得される方は、牽引小型トレーラー限定免許(通称ライトトレーラー免許:2,000kg以下まで牽引可能)より牽引免許を取得されることをおすすめいたします。
理由としては、牽引小型トレーラー限定免許の取得は自動車教習所ではなく、運転免許試験場に試験車両を持ち込んで実施するためです。まず、取得を希望される時点では牽引免許が無いので試験車両をご自身で運搬することはできません。さらにトレーラーの牽引未経験での試験はハードルが高いと思われます。
普段から750kg以下のトレーラーを牽引していて、今後2,000kg超のトレーラーは牽引せず、試験車を運搬してもらえる当てがある方は、牽引小型トレーラー限定免許の取得でも問題ありません。
お仕事にも役立てたいとお考えの場合は、牽引免許の取得が良いでしょう。
牽引免許取得について詳しくはお近くの自動車教習所にお問い合わせください。
車両総重量750kg以下のトレーラーは牽引免許が不要です。
トレーラーの登録について
トレーラーを牽引して公道を走行するためには牽引登録が必要です。
ヘッド車に牽引できるトレーラーの車両総重量を登録する方法(950登録)とトレーラーにヘッド車を登録する方法(従来方式)の2種類があります。950登録の場合は車両総重量1,990kg以下のトレーラー(車両の牽引能力に寄って異なります)までとなりますが、登録された重量範囲にあるトレーラーならどのトレーラーでも牽引できます。
従来方式はトレーラーに対して牽引する車両型式を登録するため牽引できる車両が限定されます。また、上述した1,990kgまでの制限がありますので、これを超えるトレーラーは従来方式での登録となります。
どちらの登録方法でも連結検討書が必要で、車両によっては実測による連結検討になる場合もあります。
諸手続きも当社にて代行いたします。
車検や税金は
キャンピングトレーラーの8ナンバーキャンピング登録のため2年毎の車検となります。
エンジンがありませんので、自走式と比較すると点検項目が少なく車検費用は安くなります。
自動車税は10,200円(年額)、重量税は車両総重量によって異なり当社でラインナップしているアメリカントレーラーの場合、1t超〜2t未満で16,400円(2年)、2t超〜3t未満が24,600円(2年)、自賠責保険料は5,440円(25ヶ月)となります。
自動車税(年額) |
10,200円 |
重量税(2年)〜2t未満 |
16,400円 |
重量税(2年)〜3t未満 |
24,600円 |
自賠責保険(25ヶ月) |
5,440円 |
※この情報は2023年4月1日現在のものとなります。改正等で変更となる場合があります。
自動車保険は
トレーラーには原動機(エンジン)が無いため、通常はヘッド車(牽引車/トラクター)の自動車保険で補償されますが、ヘッド車と切り離した状態での事故等は補償対象外になる場合があります。詳細はご加入の保険会社に確認してください。
車両保険は、トレーラーとヘッド車それぞれ個別に加入する必要があります。
定置利用時の注意
大きめのキャンピングトレーラーの場合、主に牽引せず部屋などとしての利用を目的としているケースもあります。
トレーラーですから建物ではなく、固定資産税の対象外になるのではと思われがちですが、これには注意が必要です。
その地域や設置方法によって建物=建築物として扱われる場合もあります。
一般社団法人日本RV・トレーラーハウス協会(http://www.jrvia.jp/)のウェブページには、建築物として取り扱う例が掲載されています。
つまり、「簡単に動かせて、合法的に公道を走行できる状態」でないと、車両ではなく建物して扱われてしまいます。
この限りではないケースもありますので、詳しくは設置を検討している自治体や地域に確認していただくことをおすすめします。